がんと漢方──「治す」ではなく、「体の流れを取り戻す」という考え方
先日、YouTubeライブ(2025年12月16日配信)で、「がんと漢方」についてお話しする機会がありました。
がんという言葉は、どうしても「怖い」「重い」「どうすればいいかわからない」——そんな感情を呼び起こします。
ですが中医学では、がんを特別な敵としてだけ見るのではなく、体の流れが長い時間をかけて崩れた結果として現れたものとして捉えます。
この記事ではライブでの趣旨を、ヘルモニ読者さん向けに、できるだけやさしい言葉でまとめます。
中医学では、がんは「突然できた病気」ではありません
中医学の古典には、現代医学の意味での「がん」という言葉そのものは出てきません。
その代わりに語られているのは、
- 気の停滞
- 血の滞り
- 水の偏り(湿の停滞)
- 熱のこもり
- 冷えによる固着
こうした状態が、長い年月をかけて積み重なった結果として表に出てくる、という見方です。
だから中医学では、「なぜ、今ここにそれが現れたのか」を丁寧に読み取ります。
漢方は「がんを直接叩く薬」ではありません
大切なポイントとして、漢方は抗がん剤の代わりではありません。
漢方の役割は、がんそのものを消すことだけに置くのではなく、
- 体の巡りを整える
- 気血津液のバランスを戻す
- がんが育ちにくい環境(体内の状態)をつくる
こうした方向にあります。
中医学的に言えば、「畑を整える」という考え方です。
がんのタイプは一つではありません
中医学では、同じ「がん」という診断名でも、体の中で起きている偏りは人によって異なると考えます。
たとえば、
- 熱がこもるタイプ
- 水や湿が停滞するタイプ
- 気血が過剰に集まりすぎるタイプ
- 逆に、気血が足りず修復が追いつかないタイプ
こうした違いがあるため、ある人に合うものが、別の人には合わないということが起こります。
漢方を使う前に、必ず見ておきたいこと
中医学では、漢方を選ぶ前に体をよく観察することを重視します。
- 舌
- 脈
- 皮膚の温度
- むくみ
- 食欲
- 眠り
こうした情報を総合して、「今の体がどこに向かっているか」を読みます。
漢方は、その流れを少しだけ修正する道具として位置づけると、理解がしやすくなります。
がんと向き合うとき、いちばん大切なこと
中医学の立場から見ると、いちばん大切なのは、
「がんをどうするか」より、「体をどう扱うか」
という視点です。
- 食べすぎていないか
- 体を冷やしていないか
- 無理を続けていないか
- 呼吸が浅くなっていないか
日常の積み重ねが、体の流れを決めます。漢方は、それを思い出させてくれる存在にもなります。
がんは「人生を問い直すサイン」でもある
中医学では病気を、人生の流れの中で起こる出来事として捉える面もあります。
がんは、
- 頑張りすぎてきた
- 我慢を重ねてきた
- 体の声を後回しにしてきた
そうした積み重ねの中で、体が出す強いメッセージとして現れることもあります。
治療と同時に、生き方や日々の整え方を少し変えることが大切になります。
漢方は「一緒に歩くための医学」
漢方は「これを飲めば大丈夫」という単純な道具ではありません。
- 体を知る
- 生活を整える
- 必要なときに、そっと助ける
そのための医学です。
がんと向き合う道のりで、漢方は伴走者であって主役ではありません。
主役は、あなた自身の体です。
最後に
がんを知ることは、体を知ること。体を知ることは、生き方を見直すこと。
漢方や中医学は、そのための視点を与えてくれます。
怖がりすぎず、期待しすぎず、でも無視もしない。そんな距離感で、漢方と付き合っていただけたらと思います。
参考:
YouTubeライブ配信(2025/12/16)「漢方」イマナカ先生@中医学で毎日を健康に♪

