「しわ」のメカニズム

しわに悩む女性 中医学

しわについて

本日のテーマは「しわ」についてです。特に美容の観点からお話しします。

中医学と美容の関係

中医学には「中医美容」という概念があります。これは単なる美容の話ではなく、健康と密接に関係しているものです。なぜなら、内臓の異常はまず皮膚表面に現れるからです。
例えば、植物の葉が枯れたり、花の色が変わったりすると、「この木に何か問題があるのでは?」と考えますよね。でも、実際には問題の根本は葉や花ではなく、幹や根にあることが多いのです。同じように、人間の体も皮膚表面に現れる異常を早期に発見することで、内臓の疾患を予測しやすくなります。しわもその一つのサインなのです。

顔のしわとその仕組み

しわは顔以外にも手や首などに現れますが、特に顔は目につきやすく、変化を感じやすい部分です。しわには次のような種類があります。
• ほうれい線(深いしわ)
• 小じわ・ちりめんじわ(細かいしわ)
• 取れにくい縦じわ
しわができる主な原因は、栄養が不足することです。例えば、風船がしぼむとシワシワになるのと同じで、皮膚も栄養が不足するとしわができます。

胃の経絡としわの関係

中医学では、体には「経絡」と呼ばれる気や血の通り道があると考えます。しわの発生には「胃の経絡」が大きく関係しています。この経絡は、
1. 鼻筋を通り
2. 目頭を経由して
3. 頬を通り
4. 口の周りや顎へ向かい
5. 額関節を通って耳へ
6. さらに額(おでこ)へと続く
この経絡上で栄養が不足すると、しわができやすくなります。

胃の健康がしわに与える影響

顔に栄養が行き渡らなくなる理由は主に2つあります。
1. 胃が弱っている
o 胃に疾患がある場合、体は胃を修復するために血液を集中させます。その結果、顔に必要な栄養が行き届かなくなり、しわができやすくなります。
o 特に胃薬を常用している人は、胃の機能が低下しやすく、顔のしわに影響を与える可能性があります。
2. 胃に血液が集中している
o 胃の消化機能が低下すると、食べ物を処理するために大量の血液が集まります。その結果、顔への血流が減り、しわができることがあります。
o 逆流性食道炎や口臭がある人は、この状態になりやすいです。
このように、胃が正常に機能していないと、顔の栄養状態も悪くなり、しわの原因になるのです。

ほうれい線ができるメカニズム

顔の筋肉や脂肪も、適切に栄養が行き渡っていれば若々しさを保てます。しかし、胃の働きが弱まり、気血が十分に供給されなくなると、以下のような現象が起こります。
• 顔の筋肉が衰え、たるむ
• 頬の脂肪が下がり、ほうれい線が深くなる
• おでこのしわが目立つようになる
特に、「ほうれい線が急に深くなった」「おでこのしわが増えた」と感じる場合は、胃の機能低下を疑ってみるとよいでしょう。

他の要因としわの関係

• 下腹部太り
o お腹の脂肪が多いと、胃の経絡が遮られ、顔への栄養供給が滞ることがあります。
• 陽気不足
o 体のエネルギー(陽気)が不足すると、血流が滞り、しわができやすくなります。
o 太陽の光を浴びることで、体温が上がり、顔への血流が改善されるため、しわ対策にもなります。

まとめ
しわは単なる「老化のサイン」ではなく、体の健康状態を映し出す指標でもあります。
• 胃の健康を整えることがしわの予防につながる
• 顔のしわが増えたら、胃の状態を見直す
• 食事や生活習慣を改善し、気血の流れをスムーズにする

このように、中医美容の視点でしわを見ると、単なる美容対策ではなく、健康管理の一環として捉えることができます。しわの変化をチェックしながら、体全体のバランスを整えていきましょう。

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