子供の好き嫌いはむしろいいこと
好き嫌いが起こる仕組みと、それにどう向き合うべきかについてお話しします。
今日は子供の好き嫌いについて、中医学の視点からお話ししてみたいと思います。
子供の食べ物の好き嫌いに悩んでいるお父さんやお母さんは多いのではないでしょうか?
実は、この好き嫌いが体質や将来かかりやすい病気、さらには性格にまで関係してくることがあるんです。ちょっと向き合い方を変えるだけで、子供の健康や成長をよりよくサポートできることもありますので、ぜひ参考にしてください。
子供の好き嫌いは、身体が必要か不必要かを教えているサインとも考えられます。例えば、私自身、子供の頃にきゅうりが大好きでした。きゅうりは利尿効果がある食材です。当時、私は体にむくみが溜まりやすく、少し喘息気味だったこともありました。だからこそ、自然と体内の余分な水分を排出したいという本能で、きゅうりを好んで食べていたのでしょう。
他にも、トマトや人参が好きな子供もいます。これらの食材を好む理由として、血液の薄さや潤い不足が考えられるかもしれません。
甘いものが好きな子供が多い一方で、しょっぱいものを好む子供もいます。しょっぱいものを好む場合、体に熱がこもりやすい性質があり、熱を生む糖質(例えばお米など)を避けたい、食べたくないという身体の状態かもしれません。このように、嫌いな食べ物は身体にとって必要ないものを示していることもあるのです。
例えば、子供が苦味やえぐみのある食べ物を嫌うのは、そういった食材がデトックス効果を持ち、体内に不要な毒素を排出する働きがあるからです。
まだ毒素が溜まっていない子供の体には、その食材は必要ないということです。食べた瞬間に「おえっ」となる子供の反応は、とても分かりやすいサインです。これは、子供の体が自然に「今は必要ない」と判断している証拠と言えるでしょう。
食べ物の好き嫌いを、食育やマナーの観点から「全て残さず食べましょう」と指導することには一定の価値があります。
しかし、本来の人間の身体の仕組みからすると、それが必ずしも正しいとは限りません。
特に、甘いおやつやジュースなどは常習性があり、子供の本来の欲求を見失わせる可能性があります。こうした食品の摂取を控えることで、子供が本当に必要とする栄養を見極める手助けになります。
例えば、きゅうりばかり食べる子供には、むくみやすい体質を改善することが先決です。
入浴や運動で血流を良くし、汗や尿でしっかりデトックスする習慣をつけると良いでしょう。そうすることで、偏った食事から脱却できるかもしれません。好き嫌いの背後にある体質を整えることが大切なのです。
好き嫌いや食べむらが多いと心配になるのは当然です。しかし、無理に食べさせようとするより、子供の口にしたいものや口にしたくないものから、今の健康状態や体質を理解する手がかりを得ることができます。
食べたいものが欲のためかどうかを見極めるのは難しいですが、子供の素直な表現に耳を傾けることも一つの方法です。
これは子供だけに限りません。
大人も同じように、食べたいものや食べたくないもので体質や健康状態を知ることができます。最近「お肉が食べたくない」と感じているのに、栄養が偏るからと無理に食べたり、毎食きちんとお米を食べたりすることが、実は体に良いかどうかは一概には言えません。
最後にまとめです。
子供の好き嫌いは、身体が今何を必要としていて、何を必要としていないのかを教えてくれているサインです。好き嫌いを無理に直すのではなく、その背景にどんな体質や健康状態があるのかを見極めてあげることが大切です。そして、甘いものや味の濃い食べ物に惑わされず、できるだけ薄味の食事を心がけ、子供と一緒に体の声に耳を傾けていきましょう。

