その冷え、年齢のせいだけではありません ―― 根菜で内側から温める食養生
こんにちは。管理栄養士のまゆみです。
病院で長く栄養指導に携わってきましたが、「検査では異常がないのに、冷える・疲れる・むくむ」といった声を本当によく耳にしてきました。
年齢や体質のせいと片づけられがちなこの不調。
中医学(中国伝統医学)の視点を知ってから、「なるほど」と腑に落ちることが増えました。
今回は、身近な根菜をテーマに、
現代栄養学と中医学をつなぐ食養生のお話をしていきます。

■「冷え」は体のエネルギー不足から起こる
現代栄養学では、体温維持にはエネルギー摂取や筋肉量、血流が大切だと考えます。
一方、中医学では、体を温める力を「気(き)」と呼びます。
この「気」が不足したり、巡りが悪くなったりすると、
- 手足が冷える
- 疲れやすい
- むくみやすい
- 体型が締まりにくい
といった不調が現れやすくなります。
冷えは単なる温度の問題ではなく、
体を動かすエネルギーの巡りの問題でもあるのです。
■ なぜ「根菜」が体を温めるの?
根菜は土の中でじっくり育つ食材。
にんじん、大根、ごぼう、れんこんなどは、昔から冷え対策に用いられてきました。
◎ 栄養学的な視点
- 食物繊維が腸内環境を整え、代謝を支える
- ミネラルが体内の水分バランスを調整する
◎ 中医学的な視点
- 胃腸を整え、気を生み出しやすくする
- 血や水の巡りを助け、内側から温める
つまり根菜は、
「熱をつくる力を育てる食材」なのです。
■ 食べ方次第で効果が変わります
① 温める調理法を選ぶ
煮る・蒸す・スープにすることで、体への負担を減らし、温め効果が高まります。
② 香りのある食材をプラス
生姜、ねぎ、にんにく、山椒などは「気」を巡らせる食材。
少量でも冷え対策に役立ちます。
③ フィットネス目線も忘れずに
軽いウォーキングやストレッチで筋肉を動かすと、
食事で取り入れた栄養が体に行き渡りやすくなります。
■ 病院勤務時代に感じていたこと
病院では数値や病名を中心に診ていきます。
けれど、「なんとなく不調」という段階では、原因が見えにくいことも多いのが現実です。
中医学の食養生は、
病気になる前の体の声を拾うための知恵だと感じています。
■ 冷えは、体からのやさしいサイン
中医学では、冷えを「悪いもの」と決めつけません。
「今は少しエネルギーが足りていませんよ」という、体からのメッセージとして受け取ります。
まずは、
- 温かい食事を選ぶ
- 根菜を一品足す
- よく噛んで食べる
そんな小さな積み重ねで十分です。
■ まとめ
- 冷えは体質や年齢だけの問題ではない
- 根菜は「内側から温める力」を育てる
- 食べ方・動き方で体の巡りは変えられる
難しいことはせず、
今日の食卓から、体をいたわる一歩を始めてみてくださいね。
管理栄養士 まゆみ

