毎月の“あの日”どうしてる?

まずは私の告白:毎月の“あの日”どうしてる?

毎月レッスン前にズーンと来るお腹の重さ、急に食べたくなるチョコ、気分の落ち込み…。ネットには「冷え」「ホルモン」「骨盤のゆがみ」など色々な説が出ていますよね。全部試してみた私の結論は、「生理痛は一つの原因だけじゃ説明できない」ということ。

一言:「生理痛は体の『サイン』です。症状をどう読むかで、対処が変わりますよ。」

中医学の視点にバトンタッチ:生理痛は“6タイプ”で考える

中医学は、身体を 気・血・津液(しんえき) の流れで見ます。さらに季節や感情、生活習慣による昇降出入(気の上がり下がりと出入り)の乱れを重視します。私たちの生理痛をおおまかに以下の6タイプに分けました。

① 気滞(きたい) — 「流れが詰まる」タイプ

特徴:イライラ、胸や脇の張り、重苦しい痛み。
中医学的説明:気の昇降出入が滞り、巡りが悪くなることで生じます。ストレスや感情の高ぶりがトリガー。

② 血瘀(けつお) — 「血の滞り・瘀血」タイプ

特徴:刺すような激痛、血の塊(レバー状)、慢性的な痛み。
中医学的説明:血の巡りが滞り経絡が詰まる状態。冷えや長期の不調で起きやすい。

③ 寒凝(かんぎょう) — 「冷えによる収縮」タイプ

特徴:ギュッとする痛み、温めると楽になる。下腹部の冷え感。
中医学的説明:外的/内的な寒が入り、気血が固まって消耗する。

④ 気虚(ききょ) — 「エネルギー不足」タイプ

特徴:だるさ・疲れが強く、痛みは長引くが強さは中程度。甘いものをやたら欲する。
中医学的説明:気(=体を動かす力)が不足すると血を押し巡らせられず、滞りやすくなる。

⑤ 血虚(けっきょ) — 「血が足りない」タイプ

特徴:顔色が淡い、めまい、月経量が少ない。
中医学的説明:血が不足し器官の滋養が不足、子宮の状態が弱くなる。

⑥ 湿熱(しつねつ) — 「湿と熱が絡んだ」タイプ

特徴:下腹の重だるさ、ベタつくおりもの、蒸したような不快感。
中医学的説明:飲食の偏りや体質で湿が溜まり、熱と結びついて症状を作る。

重要なのは、多くの方が単一タイプではなく複合タイプだという点です。私も実際、自分の生活を振り返ると「むくみ(湿)+チョコ欲(気虚)+落ち込み(気滞)」の混在でした。

生活で見分けるヒント — 「これは私かも?」セルフチェック

  • 刺す痛み/血の塊が出る:血瘀(血の滞り)を疑う
  • 温めると楽になる:寒凝の可能性高め
  • だるくて甘い物が欲しい:気虚タイプ
  • 下腹が重くておりものがねっとり:湿熱を疑う
  • 気分の上下やイライラが強い:気滞の可能性

季節との関係も見逃せません。例えば冬は「寒」が入りやすく、寒凝や血瘀が強く出る傾向になります(季節による昇降出入の変化)。

さちこの失敗談 — 「とりあえず温めればOK」ではないワケ

正直なところ、私はずっと「冷え=全部解決」と思い込んでいました。温めて気持ち良ければOK、みたいな。でも中医学の先生に「温めは時に症状を悪化させることがある」と言われてハッとしました。

例えば湿熱タイプに熱いお風呂や辛いモノでさらに“熱”を足すと、問題がこじれる可能性があります。だからこそ、まず正しく症状を読むことが大事なんですね。

日常でできる、タイプ別のセルフケア(先生監修)

気滞(ストレスで流れが止まる)

  • 深呼吸(吐く息を長く)を1〜2分。昇降出入の滞りを緩める。
  • 軽いピラティスや骨盤まわりのストレッチで気の巡りを促す。
  • 香り(柑橘系)で気持ちを上げるのも◎(ただし化学香料は避ける)。

血瘀(血の滞り)

  • 温めながら(湯たんぽなど)軽く動く。血の巡りを促進。
  • 黒にんにくや生姜(少量)など、温性の食材を活かす。

寒凝(冷え)

  • 身体を芯から温める(足湯・お灸・ゆっくり湯船)。
  • 冷たい飲み物や生野菜を控えめに。

気虚(エネルギー不足)

  • 無理は禁物。休養を優先して少しずつ活動を回復。
  • 補気食材(さつまいも、黒豆、なつめ)を取り入れる。甘味は黒糖や自然な甘味へ。

血虚(血不足)

  • 鉄分だけでなく、血を養う食材(ほうれん草、にんじん、なつめ)をバランスよく。
  • 睡眠をしっかりとる。夜間の昇降出入(気の上下)を安定させる。

湿熱(重だるい・ネバネバ)

  • 冷たい飲料や脂っこいもの、甘いジュースを控える。
  • 利水(むくみ改善)を意識した食事と軽い有酸素運動。

最後にメッセージ

身体は季節や生活、感情と常に関係しながらバランスを保っています(気血津液の循環と昇降出入を重視)。症状は「病気」ではなく、身体からの声=サインです。その声を無視せず、生活の中で小さな調整(食事・運動・呼吸・睡眠)を続けることが最も大切だと教えてくれます。

今日のセルフケア(すぐできる3つ)

  1. 長い吐く呼吸を1〜2分:椅子に座って、吐く時間を意識的に長く。気滞の緩和に効果的。
  2. 下腹部に湯たんぽを10〜15分:寒凝や血瘀に効く。ただし熱感や湿熱の人は控えめに。
  3. 補気スイーツに置き換え:どうしても甘い物が欲しい時は、白砂糖のケーキではなく「蒸しさつまいも+黒蜜少量」などにしてみて。

まずは「自分の症状を観察する」ことから始めましょう。来月はぜひ、自分がどのタイプに当てはまりそうかメモしてみてくださいね。コメントで「私はこれかも!」を教えてくれたら嬉しいです♪

※この記事はヘルモニ投稿者「さちこ」(ピラティス講師)の体験をベースに、中医学を監修者の視点でわかりやすく翻訳したものです。診断や治療が必要な症状がある場合は、鍼灸・中医クリニックや医療機関にご相談ください。

タグ:生理痛中医学セルフケア