ヘルスデータだけでは“見えない”もの。気の乱れを中医学で読み解くという
心拍、体温、HRV、睡眠スコア──こういう数値を見るのが仕事でもあり、趣味でもあるんですが…最近つくづく思うのは、
「データは確かに正しい。でも、人はデータだけじゃ説明できない」ということ。
特に“冷え”や“浮腫み”などの違和感は、数値化が難しく、身体感覚とのズレが生じやすいんですよね。
そこで使えるのが、中医学の“気血津液”という概念。これがデータの補完にめちゃくちゃ効きます。
データで拾えない“冷えの感覚の不一致”
ウェアラブルは皮膚温・心拍を測れても、「本人が実際にどう感じているか」は測れません。
例えばこんなケース
- データでは体温は正常
- 心拍も安定
- HRVも悪くない
- → なのに「手足だけ氷みたいに冷たい」
逆に、
- 皮膚温は低め
- なのに本人は「暑くて眠れない」
これ、中医学だとちゃんと説明がつきます。
中医学では“巡り”の問題と見る
「冷え」という現象は温度そのものではなく、
気血が末端まで届いているか?
皮膚が開閉して呼吸できているか?
という“巡りの問題”として扱います。
データでは正常でも、気が詰まっている・収縮している・こもっていると、
- 足先は冷えたまま
- 頭だけ熱い
- 肩甲骨に詰まり感
- なんとなくだるい
こういう“未病のサイン”が出てきます。
ここが中医学の強みで、数字では拾えない身体のニュアンスを読んでくれます。
浮腫み(むくみ)はデータ化しづらい
僕自身、IT寄りの人間なので、「むくみ、何とか数値化できないかな?」と考えていました。
でも現状は、
- 体脂肪・筋肉はBIA(インピーダンス)で測れる
- 水分量も一応測定できる
- でも「皮下のむくみ」や「重だるい」は正確に拾えない
これ、医療機器でもかなり難しい領域です。
だからこそ、「望診(見る診断)」×「触診」×「体感」が重要になってきます。
- ふくらはぎが重い
- 足首が浮腫む
- 朝は顔がむくむ
- 夕方になると脚がパンパン
これ全部、中医学の“水滞”“脾の弱り”“腎の虚”などとリンクします。
データの穴を、中医学が埋めてくれる感じですね。
舌診アプリはむくみの“見える化”に最強
舌のむくみ=「胖」の状態は、むくみや水滞をかなり忠実に反映します。
- 舌の縁の歯痕
- 舌の厚み
- 表面の潤い
- 舌色の変化
これらは数値化が難しい“気血津液の崩れ”を、画像として視覚化できる最高のファクターです。
Rの立場から言ってしまうと、
「浮腫みセンサーより舌の画像の方が正確じゃない?」
と真剣に思っています(笑)。
舌診AIは、この“むくみ判定の難しさ”をかなり克服している領域だと思います。
脈診デバイス × 中医学は、未来のヘルスデータ
さらに脈診デバイスがここに加わると「気の状態」まで数値化できる可能性があります。
- ストレスで表が締まる
- 呼吸が浅いと上焦に熱がこもる
- 胃もたれで脈が滑る
- 気虚で脈が弱くなる
こういう状態変化を“波形”として捉えられたら、世界初の「AI気診断デバイス」が生まれるかもしれません。
そして舌診AI × 脈診AI × 生活データがつながると…
未来の健康管理は「データ+気」のハイブリッドになる
Rが考える理想の健康モニタリングはこんなイメージです。
▲ データで追う:
- 皮膚温
- 心拍
- HRV
- 睡眠
- 歩数
- 食事ログ
▼ 中医学で読む:
- 気の巡り(詰まり・上逆・虚)
- 血の状態(不足・滞り)
- 津液(水分)の偏り
- 冷え・熱化のバランス
- 五臓(脾胃・肝腎・肺心)の疲労
そして、
【データに現れない“体の違和感”を、中医学が補完する】。これが一番強いと感じています。
「データが正常でも、体感をメモる習慣をつける」
例えば、こんな項目を1週間記録してみてください。
- 足先が冷えていないか?
- 肩甲骨つまっていないか?
- むくんでいないか?
- 頭だけ熱くないか?
これを続けると、ウェアラブルでは拾えなかった“気の乱れ”が少しずつ可視化されてきます。
まとめ
データは嘘をつかない。でも、データは全部を語らない。
中医学の「気血津液」は、その“語られない部分”を拾ってくれる存在です。
未来の健康管理は、「テクノロジー × 中医学」の二刀流が絶対に最強だと、私は確信しています。
【投稿:30代 ITエンジニア】
