肩こり、ただの筋疲労だけじゃない!? 冷えと“気血の滞り”が生む本当の原因

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肩こり、ただの筋疲労だけじゃない!? 冷えと“気血の滞り”が生む本当の原因

こんにちは、ピラティス講師のSです。最近、デスクワークとスマホ漬けのせいで肩がガチガチ……。でもこの前読んだある記事で「肩こりは侮れない現代病」という話を見て、ちょっとハッとしました。単なる筋疲労じゃなく、体の“冷え”や“滞り”のサインかもしれないって……。これは私みたいに動いていても起こりうる問題だと思うんですよね。

1. よくある肩こり記事 — 何が言われているか

美容情報サイトでは、長時間のパソコンやスマホ操作により、頭の重さ(約6kg)が首や僧帽筋に負荷をかけ、
筋疲労がたまりやすいことが指摘されていました。さらに、歯ぎしりや食いしばり・ストレスなどで首まわりの
筋肉や咬筋が緊張し、これが血行不良・老廃物の停滞・痛みやコリにつながると説明されています。

また、「夏より冬のほうが肩こりが悪化する」「冷えた手足、首・肩を冷やさないように」という注意書きもあり、
肩こりが単なる筋肉の問題ではなく、生活習慣と冷えが絡んだ“現代病”として語られています。

2. 中医学的に見る「肩こり」とは — 冷え・気血の停滞

● 冷えによる「気の収蔵・抑制」と気血の滞り

寒さや冷気、または体表の冷え(特に首・肩・手足の末端)があると、体は自然に「気を内に蔵める」ようになります。
この「収蔵」の働きは、皮膚や浅層経絡を縮め、深部の気血の流れを鈍らせがちです。
その結果、首・肩まわりの経絡の動きが滞り、「気不通=痹症(ひしょう)」の状態になりやすいのです。

● スマホ・デスクワークで起こる“気の停滞” — 気滞+血瘀の複合

長時間同じ姿勢、顎を突き出した状態、筋肉の緊張、ストレス――これらはすべて気の流れを阻害します。
気の停滞(気滞)は、血の巡りも妨げ、「血瘀(血の淀み)」を生み出します。
すると慢性的なコリ、重だるさ、痛みとして感じられるようになるのです。

● 「冷え」と「気滞・血瘀」のダブルパンチで肩こり慢性化

特に冷える季節や、冷房の効きすぎた室内では、体の表層が冷えて硬直し、気血の昇降出入が滞ります。
その結果、気滞と血瘀が重なり合い、慢性的な肩こり・張り・痛みへと移行していきます。

だから、たとえ普段からピラティスなどで体を動かしていても、冷えや停滞を放置すれば
「筋肉ほぐし」だけでは根本改善にならない、というのが中医学から見た肩こりの姿です。

3. よくある誤解:「肩こり = 筋肉疲労だけ」ではない

多くの人は、肩こり=筋肉疲労、血行不良のみと考えがちです。
でもそれだけだと「なぜ冬に酷くなるか」「なぜ冷えると重くなるか」は説明しきれません。

“冷えによる経絡の収縮”と“気滞/血瘀”が根底にあるなら、ただマッサージやストレッチするだけでは、
一時的にほぐれてもまたすぐ戻ってしまいます。

また、歯ぎしり・食いしばりのような無意識のクセや、ストレスによる咬筋の緊張は、
単なる「筋肉の問題」ではなく、「気の停滞」や「陽気の偏在」が関わっている場合があります。

だからこそ、「筋だけ」「血だけ」を狙うケアは片手落ちになりがちで、
そこに中医学的視点を加えると、見えてくる改善の道が変わってくると感じています。

4. S流・今日できる「肩こりケア」〜中医学 × ピラティス視点で

🔹 (1) 首・肩だけでなく「手首・足首も冷やさない」

冷えは全身に広がりやすく、特に“首まわり”だけでなく、手首・足首など末端の冷えに注意が必要です。
就寝前に湯たんぽや温かいタオルで手首・足首を温めることで、気血の巡りが促進され、
肩こりの根源的な滞りをやわらげる助けになります。

🔹 (2) 呼吸+姿勢で“気の流れ”にアプローチ

座る/立つ時は、骨盤を立て、背筋を伸ばし、胸郭を開いて大きく深呼吸を。
特にピラティスで意識する「肋間伸展」や「胸郭開放」の動きは、気の昇降をスムーズにして、
経絡の詰まりを解きほぐすのに役立ちます。

🔹 (3) 軽くほぐす & 優しく温めるストレッチ習慣

長時間のデスクワーク後には、肩甲骨まわり・首の付け根・手首・足首を軽く動かすストレッチを取り入れましょう。
その後、ぬるめのお湯(38〜40℃)でゆっくり入浴して体の表面をじんわり温めると、
皮膚呼吸と気血の巡りが整いやすくなります。

🔹 (4) 就寝前の“咬筋ゆるめ”と“顎の緊張解放”

歯ぎしりや食いしばり癖がある方は、寝る前に顎を軽くマッサージするのがおすすめです。
耳の後ろや咬筋をそっとほぐし、力を抜いて「あ・い・う・え・お」と声に出してみることで、
顎から首、肩への“気の連動”を整えていきます。

5. ひとことミッション

「寝る前の5分:手首・足首湯たんぽケア」 を今日から始めてみませんか。
冷えを取り、経絡の気血を巡らせることで、肩こりの根っこをやわらげていきましょう。

まとめ

肩こりは「ただの筋疲労」と思って流してしまいがちですが、実は「冷え × 気血の停滞 × 経絡の収蔵」という、
中医学的な要素が深く関係しているかもしれません。

ピラティスやストレッチだけでなく、冷えケア・気の巡りケア・呼吸・姿勢を意識することで、
「肩こりとは無縁の体」に少しずつ近づくことができるはずです。

私と一緒に、小さな毎日のケアから始めてみましょう。

【投稿:40代 ピラティス講師・S】