肌は、動きの記憶。
― 経絡を動かす運動が、美容を変えていく ―
「この方、最近あまり動いていないな」と感じることがあります。
肌は年齢だけで変わるものではありません。
どのように体を使い、どの経絡を動かしてきたか――
その履歴が、静かに映し出されるのが皮膚です。
経絡は、内臓と皮膚をつなぐ「美容の通路」
中医学では、皮膚は単なる外側の膜ではなく、
五臓六腑の状態が現れる「写し鏡」と考えます。
そして、その情報を運ぶのが経絡です。
たとえば――
- 顔色が冴えない → 気血が巡っていない
- むくみやすい → 水の代謝が滞っている
- たるみが取れにくい → 経絡が使われていない
これらはすべて、
「どの経絡が動いていないか」を見ることで、理由が見えてきます。
運動=筋トレ、ではありません
美容のための運動というと、
「痩せる」「鍛える」といった発想になりがちですが、
中医学の視点では少し異なります。
経絡がしなやかに伸び、縮み、気血が通ること。
それが、最も美肌につながる運動です。
無理な負荷で筋肉を固めてしまうと、
かえって皮膚の下で巡りが滞り、
くすみやたるみにつながることもあります。
美容に深く関わる、代表的な経絡
◆ 胃の経絡 ― 肌のハリと血色
胃の経絡は、顔の中心部を通ります。
ここがしっかり動くと、血色・ハリ・弾力が戻りやすくなります。
歩く、脚を上げ下げする、体幹を使う――
こうした動きは、自然と胃の経絡を刺激します。
◆ 肺の経絡 ― 皮膚の潤いとバリア力
肺は皮膚を司る臓。
呼吸を深め、腕や胸を開く動きは、
肌の潤いを守る力につながります。
◆ 脾の経絡 ― むくみとたるみ
脾は「持ち上げる力」を担います。
下半身を使う運動や、ゆったりしたリズムの動きは、
フェイスラインの重さを軽くしてくれます。
施術者の目線で見る「動いている肌」
定期的に体を動かしている方の肌は、
指を置いた瞬間、反応が違います。
押し返す力があり、
気血が下から上へ、静かに上がってくる感触があります。
これは、高価な化粧品だけでは作れません。
経絡が日常的に使われている体だからこそ、
肌もまた、生き生きと応えてくれるのです。

美容は「動かし方」で決まります
体の使い方が変われば、気血の流れが変わり、
その結果として、肌の質感も変わっていきます。
今日からできることは、難しい運動ではありません。
- 呼吸を止めずに動く
- 伸ばす・ゆるめる動きを意識する
- 「どこが通ったか」を感じてみる
その積み重ねが、
5年後、10年後の肌をつくっていきます。

