12月に増える「倦怠感」…冬の“エネルギー不足”は脾腎ケアが鍵です
こんにちは。管理栄養士のまゆみです。
病院勤務時代、12月になると「朝から体が重い」「眠いのに疲れが取れない」と訴える患者さんがぐっと増えていました。
健康診断では異常がないのに、“慢性的なだるさ”が長く続く方が多いのです。
冬は、気温の低下・日照不足・生活リズムの変化が重なることで、体に大きな負担がかかります。
中医学では、この時期の倦怠感は「気(エネルギー)の不足」と「腎の弱まり」が深く関わると考えます。

◆ 冬の倦怠感の本質は“脾腎の弱り”
中医学では、冬は腎を養う季節。
気温が下がると体は熱を守ろうとし、エネルギーの浪費が増えます。すると、
- 気が十分に作れない(気虚)
- 腎が弱り、活力が出にくい
- 陽気が不足し、体が冷えてだるい
といった状態になりやすいのです。
また、12月は食べ過ぎ・飲み過ぎ・睡眠不足など、生活リズムが乱れやすく、
脾(胃腸)を弱らせてさらに気の不足へつながります。
◆ 管理栄養士の視点で見る「冬だるさ」の共通点
病院に来ていた方々の生活を振り返ると、冬の倦怠感が強い方には共通する特徴がありました。
- 冷たい飲み物・サラダ中心の軽食
- 夜遅くの食事や飲酒が増える
- 朝起きられず、食事時間が遅れがち
- 日中は甘いものやカフェオレでしのぐ
これらはすべて脾(胃腸)と腎を弱らせ、気血を十分に作れない状態につながります。
◆ 冬の倦怠感に効く「脾腎を補う食材」(中医学×栄養学)
① 気を補う:冬こそ“温かいエネルギー源”を
- 黒豆…腎を補う代表食材。たんぱく質源としても優秀
- 山芋…脾を補って疲労感を改善。胃腸が弱い方に最適
- 鶏肉…消化がよく体を温める。スープにすると補気作用UP
- もち米…気を補い体を温める。お粥や雑炊に◎
② 腎を養い、冬の“底力”をつける食材
- 黒ごま…腎精を補い、髪・気力・持久力をサポート
- くるみ…冬の強い味方。脳疲労や冷えにも
- 鮭…体を温め、ビタミンDで冬のメンタルもケア
- 黒きくらげ…血を補い、冷えや乾燥の改善に
③ 巡りを良くして“重だるさ”を解消する食材
- ねぎ・しょうが…寒さで滞った気血を温めて動かす
- シナモン…冷えによる倦怠感に。紅茶に入れて◎
- 柑橘類…冬の巡り不足に。香りで気滞も改善
◆ 冬の脾腎を守る「3つの食べ方」
- 朝は温かい汁物からスタート
(お味噌汁・生姜入りスープ) - 白湯をこまめに飲む
冷たい飲み物は脾腎を弱らせます - 夜遅い食事は“温かく軽め”に
お粥・雑炊・煮込み料理がおすすめ
◆ 最後に:冬のだるさは「季節のせい」だけではありません
12月は体にとって負担が大きく、倦怠感は発生しやすい時期です。
しかし、脾腎を整えていくことで、驚くほど体の軽さが戻ってきます。
「なんとなくしんどい」を放置せず、
冬こそ丁寧に体を温め、エネルギーを補っていきましょう。
気虚タイプ・腎虚タイプ・巡りの悪さなど、体質によって必要なケアは異なります。
気になる方には、体質に合わせた食養生もご提案しています。
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